ハッピーMUSIC Live 2012 Day2

行ってきた。もう一週間経ってしまったけどアクトごとに感想を記す(出演順ではない)。

オープニングアクト。「ねぎねぎROCK 〜私もお家に連れてって〜」という曲を歌った。自分はこの人たちのことはあまりよく知らないんだけど、想像するに、ファンの人からしたらこの曲を名刺代わりに披露されるのは本意ではないのでは?

往年のビーイングを思い出させるコテコテの和製ロック。終わった後にベッキーがしきりに彼女たちを評して「ロックだね〜」と言っていた。

このときはトイレ休憩に立ってしまったこともあり全ては観ていないが、名前の最後についている「♪♯」の由来が明かされる一幕もあり、かなりスペシャル感のあるライブだった。ちなみにその由来とやらはもう忘れてしまったので各自で調べてほしいと思う。

けっこう楽しみにしていたのだが出音がイマイチだったせいかあまりノれない、、、と思っていたところに超名曲「PON PON PON」でいきなり音がバキバキになり、横浜アリーナはダンスフロアと化した――、かどうかはわからないけどかなり踊れた。きゃりーちゃんはMCも丁寧で好感度高し。

この間の<LiVE GiRLPOP Vol.1>の時のような興奮と感動は無かったけど、ステージ全体が見渡せたのでよりダンスのフォーメーションとかを見れて良かった。この日やった「音が出ないギター」は音源で聞いた時は全くピンとこなかったんだけどライブで観ていい曲だと感じた。
しかし、MC(トーク)はかなり厳しいものがあったというか、ベッキーや芸人たちとの絡みなどはうまく噛みあっていない感じで見ていて辛かった。とくに福田彩乃直伝のボビー・オロゴンのものまねで「ぐるぐるカーテン」のサビをみんなで歌うくだりでは、自分も心底いたたまれない気持ちになり、アイドルがやることならなんでも盛り上げてくれる会場の心優しいヲタたちもさすがにみんな冷ややかな反応だったように思う。
その後、演奏終わりにまたMC陣とメンバー数名が絡む場面があって、話題はやはり先ほどのものまねのことになった。そこでまた何名かものまねをやることになり、まいやんだかさゆりんごだかがやったボビーのものまねが「クレヨンしんちゃん」にしか聞こえなかったり、玲香様が綾瀬はるかをやったりしていた。で、どういう流れだったか忘れたが生駒ちゃんもボビーのものまねをやる流れになったのだが、いざ披露という段になって、生駒ちゃんは羞恥心のあまりものまねができずに近くにいたメンバーに泣きついてしまった(本当に泣いていたわけではない)。芸人たちのフォローはあったものの場はどっちらけな空気になって会場の温度はさらに下がっていった……。
しかし、これでいいと思うのだ。「乃木どこ」を観ているとよく番組の流れをぶったぎるようにメンバーが泣きだしてバナナマンが苦笑い、みたいな場面がよくあるけれど、こういうバラエティとかお笑いにおけるお約束みたいなのをアイドルがぶち壊すさまは見ていて痛快だ。いや、嫌いなアイドルが同じことをやったら苛立ちを覚えるかもしれないけれど、僕が言いたいのはこういうことだ。お笑いとかバラエティ番組というのは人間関係や社会的空間の縮図みたいなところがあるので、そういう大人のルールみたいなものをアイドルが無視して、それとは別の論理で動く、大げさに言えば脱社会的なユートピアを展開させるような状況が好きなのだ。どうやら自分はアイドルにそういうところを求めているふしがある。これはハロヲタだったときからそうだけど、メンバーがテレビ番組とかに出て空気を読んだ振る舞いや場のノリに合わせたおもしろ発言を強要させられたり、また、そこでうまく立ち回っているメンバーを見たりすると、ちょっと悲しい気持ちになったりする。もちろん、タレントや芸人相手にうまく振る舞えるメンバーが誰かしらいないと本当に場が成立しなくなってしまうので、そういったメンバーの重要性を否定するものではない。しかし、別にバラエティ番組でなにも面白いことを言えなくてもアイドルというのは全然OKなんだということが言いたい。まあ、こういうのもロリコン趣味に典型的なキモい思いこみにすぎないのかもしれないけれど・・・。
この日のライブでは新曲「制服のマネキン」が披露された。ややこれまでの路線とは変えてきてる感じで賛否両論あるかもしれないな、と思った。おおざっぱな印象で言うと、「ぐるカー」や「おいシャン」が80's以前のアイドル歌謡だったとすれば、今回はアーリー90'sのJポップ(Winkとかのユーロ歌謡など)という感じで、一応懐古趣味という路線ではまだ一貫しているとも言えるのでは……。
で、この日は衣装も新曲仕様だった。衣装はセーラー服で、スカートの下にスパッツを穿いており、なんで見せパンじゃなくてスパッツなんだ?と違和感ありありだったのだけど、あれは多分「制服のマネキン」のサビの最後になされる大胆なポージング(わからない方は各自YouTubeなどをご参照ください)で、あの時に見せパンだと卑猥すぎる(テレビの歌番組などで披露することも考えると一層)ということでスパッツにしているんだろう。

何気に48系グループのライブは初めて見た。会場の盛り上がりが乃木坂46の時とは段違いで、客はみんなNMB目当てだったのかと思えてしまうくらいだった。横浜アリーナクラスの大きい会場でも存分に威力を発揮するNMB48の華やかなステージングには、思わずゲップを催しそうになるくらいの満漢全席感があった。当たり前かもしれないが、パフォーマンスの質的に乃木坂46とはかなり別物だった。
楽曲については、正直どれも同じ曲のように聴こえてしまった。これは48系グループのシングル曲を聞くたびにいつも思っていたことだけれど、あまりにもテンプレート的というか、王道ポップのフォーマットをなぞって曲を作っているような印象が強く、むろんその中でも名曲はあるのだけれど少し食傷気味の感もある。乃木坂46のシングル曲がこれまでの全てにおいて(まだ3枚しか出してないけれど)それなりにコンセプチュアルな色を出しているのと対照的だと思った。その点でも乃木坂は他の48Gとは楽曲の面においても別の論理でプロデュースされているんだな、と改めて感じた。